
高炉で製造された銑鉄は、転炉などの精錬工程で不純物除去と成分調整がなされて鋼(はがね)となります。溶けた鋼は連続鋳造法により鋳片へと固められ、その後様々な製品に加工されます。連続鋳造法は、多い場合には千トンを超える溶けた鋼を文字通り連続的に固める方法です。この製法が発明される前は、溶鋼を鋳型で冷やし固め、再加熱して圧延するという方法が取られていましたが、連続鋳造法により高品質な鋼片を効率良く生産することができるようになったため、現在わが国では鋼の98%以上がこの方法により製造されています。当社は、日本で初めて連続鋳造プロセスを導入して以来、連続鋳造法に係る数々の新技術を開発し、トップを走り続けています。

連続鋳造のプロセスでは、鋼片の表面に割れや疵がなく、内部には不純物の巻き込みや空孔がないことなど、高いレベルの品質管理が求められます。なぜなら、それが安定操業につながることに加え、鋳片の品質はその後の工程での生産性や製品の品質に直結するからです。総合技術研究所では、連続鋳造プロセスでの品質向上を追求するために、多目的試験連続鋳造機を始めとする最新鋭の機器を活用して研究開発を行っています。
当社では、これまでに「ナノサイズ微細粒子を利用した厚板高級構造用鋼の製造方法」、「鋼の高速連続鋳造用モールドフラックス」、「高品質極厚鋼板内部の気孔を低減する技術(PCCS法)」、「浸漬ノズルの詰まりを抑制する技術」を始めとする連続鋳造プロセスにおいて、生産効率と製品の品質を向上させるための数多くの技術を開発してきました。
たとえば、「ナノサイズ微粒子を利用した厚板高級構造用鋼の製造方法」は、従来省略不可能と考えられていた高級鋼板の連続鋳造プロセスにおける検査・表面手入れの工程を、鋳片表層の冷却過程を制御することにより、一切省略することを可能にする製造方法です。高級厚板向けの鋼片については従来、表面に割れが生じる傾向が強くなるため、連続鋳造が極めて難しいとされてきました。これを克服するために、連続鋳造プロセスにおいて、通常は徐々に冷却するところを急冷却し、スラブの表層にナノサイズの微細粒子を析出させ、ミクロ組織の制御を行うことによって表面の割れ発生を防止する技術を開発し、実用化しました。これにより、検査・表面手入れの工程が不要となり、製造日数が平均3日短縮され、高品質な鋼材を高効率・低コストで製造可能になりました。
当社では、今後も品質面での要求の厳しいハイエンド商品を製造する技術の開発を進めていきます。