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2010.12.27

No.245


 寒さが厳しくなり、街を行き交う人々は、コートの襟をたて足早に歩いていきます。今年の漢字は「暑」と聞いて、記録的な猛暑だった夏が遠い昔のように感じます。今年も残りあとわずか。来年もいい年になるように願いをこめて、今年最後のレビューをお届けします。私たちのパフォーマンスがそれぞれ輝かしい表彰をうけています。
  まずは、今年の秋の叙勲で、鹿島製鉄所 第二薄板工場の森永学さんが「黄綬褒章」を受章したニュースから。森永さんは、入社以来、自動車ボディに使われる薄鋼板の製造業務に携わってきました。鋼板の加工性を高める連続焼鈍(焼きなまし)設備において多くの考案を行い、鋼板の品質、生産性を向上させました。
  二つ目は、三菱重工業(株)神戸造船所殿から「平成22年度品質保証活動優良メーカ」の感謝状をいただいた話題です。この表彰は、原子力施設の安全性および信頼性の確保に、顕著な貢献をしたメーカーに贈られるものです。
  三つ目は、消防署からの表彰です。私たちは、消防行政協力功労団体として、臨港消防署長から感謝状をいただきました。東京本社では、毎年災害対策訓練を行い、今年で6回目。私たちの防災に対する高い意識が評価されました。
  最後は、住金日鉄ステンレス鋼管(株)が、今年6月に地球に帰還した「はやぶさ」のプロジェクトサポートチームの一員として感謝状をいただいたお話です。「はやぶさ」のエンジン配管として採用され、その運行を支えました。
  今年も1年ご愛読ありがとうございました。2011年も様々な住友金属の顔をご紹介していきますので、よろしくお願いいたします。





●「あきらめない」で到達した「まるで超能力」の域

鹿島製鉄所 第二薄板工場 森永 学さんが「黄綬褒章」を受章


 私たちの自動車用鋼板は、軽くて、高強度、そして加工性で強みを持ち、高いお客さまの評価を受けている製品です。その製品を造る現場の技能者たち。今年の秋の叙勲・褒章で名誉ある「黄綬褒章」を受章した鹿島製鉄所 第二薄板工場の森永 学さんの仕事をご紹介しましょう。
 森永さんは、1967年の入社以来、自動車ボディに使われる薄鋼板の製造業務に携わってきました。特に連続焼鈍設備の操業改善・設備改善の考案については、業界の第一人者と言われています。



 
左から   専務執行役員   堀田  義高、社長   友野  宏、
森永  学さん、副社長  小塚  修一郎

 
  冷間圧延後の薄板は、硬化しているため、加工性を確保するために焼鈍(焼きなまし)を行います。鋼板は焼鈍炉の中をロールにガイドされて通過しますが、その際、鋼板の表面に発生する微量の酸化物などがロール表面に付着、これが積み重なって突起となり、鋼板表面に突起が押し込んだキズ(ハースロールキズ※)が発生します。このキズは、一度発生すると、ロールの回転に合わせて、キズが繰り返されるため、大量の不良品が発生します。また、ロールの交換には、設備を休止する必要があり、大きなコストがかかります。そのため、ハースロールキズを減らすことは、連続焼鈍設備の大きな課題でした。そこで、森永さんは、炉内のガスの流れ(ガスの投入量や排気量のコントロール)に着目しました。独創的な発想で、最適のガスの流れを導き出し、ハースロール表面の異物の発生を抑制して不良発生率を従来の10分の1にまで減らすことに成功しました、鋼板の品質向上に加えて、生産性が向上したこととガスの流れの改善によりガス使用量が減ったので、省エネ効果もありました。  


 
  森永さんは、失敗してもあきらめず繰り返し何十回も設備改善していったといいます。上司から「失敗は後退ではない、また自信を持ってやればいい」と声をかけてもらったことを感謝しており、「理解してくれる仲間がいたからこそ今の自分がある、私を育ててくれた上司や仲間たちに感謝の気持ちで一杯だ。みんなの代表として受章したと思っている。」と喜びを語りました。
 座右の銘は「率先垂範」。その言葉通り、何事も率先して行動し、非常に強い責任感とリーダーシップを持っていると評判です。トラブル対応で不眠不休でも、何事もなかったかのように現場を動き回っている姿に、仲間たちは、いつも勇気づけられたそうです。

 加えて、現場の設備の異常を感じる力は天下一品。微妙な機械音の変化、炉壁の色の違い、ロールの手触りなど、誰も判らない異常を五感を駆使して見つけた例は数えきれず、それはまるで超能力者と思うくらいとの声もありました。
 私たちは、森永さんの仕事に対する熱い思いと優れた技術をしっかり受け継ぎ、お客さまに満足いただける高品質の製品を造っていきます。



※ハースロール:高温の炉内で使用されるロールのことです。設備立ち上げ、休止時の湿度変化に耐えることなど特殊な条件を満たす必要があります。



●「優良ビジネスパートナ」 感謝状を頂きました

三菱重工業(株)神戸造船所殿より「平成22年度品質保証活動優良メーカ表彰」を受賞



 

 私たちは、三菱重工業(株)神戸造船所殿より「平成22年度品質保証活動優良メーカ」の感謝状を、この11月5日にいただきました。この感謝状は、原子力施設の安全性と信頼性の確保に、大きな貢献をしたメーカーに贈られるものです。本年度は、加工・溶接、バルブ、材料などのメーカー255社から7社が選ばれました。材料メーカーの受賞は当社のみです。
 私たちと三菱重工業(株)殿とは、約100年前に船の原動機に使うボイラチューブを国産で初めて納入して以来の、永いお取引の歴史があります。原子力発電プラントに関しては、加圧水型原子力発電プラントの蒸気発生器(SG)で使用される伝熱細管であるシームレスパイプ(SG管)、原子炉用の配管及び炉内で使用される構造物用鋼管などを主に納めています。
 今回の受賞は、過酷な条件の中で使用され、欠陥の許されない原子力機器用鋼管を高品質で安定して供給し、設備およびプラントの安全確保に貢献していること、およびそれら鋼材製品の納入時に発注者へ発行する証明書(ミルシート)が正確で、不適合箇所“ゼロ”を達成したことを高く評価いただいたものです。
 証明書にミスがない。当たり前のことですが、原子力発電用の鋼管のミルシートは、化学成分などの材質や寸法の表記、および非破壊検査※などの製造・検査結果だけではなく、お客さまの特別要求に合格したものであることを、お客さまの必要とする形式で記載する必要があり、その作成は非常に複雑で煩雑です。大量のミルシートからミスを追放することは極めて高い目標だったのです。
 私たちは、表記ミスを追放するため、原点に戻って品質活動に取り組みました。まずは、お客さまからいただいた仕様書をしっかり読みこみ、要求趣旨を理解すること、そしてこれをきちんと反映して、お客さまに納得していただける表記を工夫しました。オーダーをいただいてから出荷するまでの手順書を充実させ、コンピュータ任せにせず、自分たちの手をかけてきちんと仕分けをし、確認をとり、正確で適正なミルシートの作成に努めています。また、誰もが同レベルでミルシートを作成できるよう、指導要領に基づき、作成者の育成にも力を入れています。
 品質管理の一環として取り組んだミルシート品質向上に高評価をいただき、優良ビジネスパートナとして感謝状をいただけたことは、価値のある名誉なことで、大変うれしく思っています。
 原子力発電は発電時にCO2を発生しません。今後さらに基幹電源として重要になっていくでしょう。私たちは、お客さまと共に前進できるよう努め、これからもお客さまに安心していただけるよう品質向上活動に取り組んでいきます。



※非破壊検査:電流や磁力などを使って、材料を破壊することなく、内部の欠陥や表面のきずを調べる検査



●備えあれば憂いなし

東京本社が東京消防庁臨港消防署長から「感謝状」を受賞


 
日頃の心掛けの成果です

 防災の基本は日頃からの万全の対策です。
11月4日、晴海アイランドトリトンスクエアの第一生命ホールで、東京消防庁臨港消防署の主催の「ふれあい防火防災のつどい」が開催されました。臨港消防署長より、消防行政協力功労団体として、私たちは「感謝状」をいただきました。
 私たちの東京本社では、2005年から毎年災害訓練を行っています。大地震の発生を想定し、災害対策本部の立ち上げ、従業員の安否確認や徒歩での帰宅・出社、東京本社営業業務の大阪本社への移管などの訓練をしてきました。今年10月には、よりリアルな練習とするために、訓練の内容を参加者に予告せずに行いました。また、災害時に本部要員が外出中であることを想定して、災害対策本部の構成員を従来と大幅に入れ替えて、本部の訓練経験者を増やしました。
 災害訓練の実施のほかにも、スプリンクラーや防火扉の近くにものが置かれていないなどの管理を評価をいただきました。
 私たちは、今回の受賞を励みに、万一大規模災害が発生した場合にも、事業をすばやく再開・継続する体制を整え、皆様から信頼される会社を目指します。



●宇宙でも活躍

住金日鉄ステンレス鋼管(株)が小惑星探査機「はやぶさ」への貢献で政府から「感謝状」を受賞


 

 
住金日鉄ステンレス鋼管(株)土井社長と感謝状

 私たちの製品が宇宙でも活躍しました。
住金日鉄ステンレス鋼管(株)は、12月2日、海江田宇宙開発担当大臣と高木文部科学大臣から、小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトサポートチームの一員として、「感謝状」をいただきました。住金日鉄ステンレス鋼管(株)の高品質ステンレスシームレスパイプが「はやぶさ」のエンジン配管に使われ、その運行を支えたことを評価いただいたものです。
 「はやぶさ」は、2003年に打ち上げられ、小惑星「イトカワ」まで往復7年、60億キロの航行を終え、今年6月に地球に帰還、世界で初めて小惑星のチリを回収するという快挙をなし遂げました。今回の「感謝状」はこの偉業を成し遂げた「はやぶさ」の開発に関わった大学・企業119機関へ政府から授与されました。



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