2010.05.25
●構造物をしっかり支えます
<先端翼付回転貫入鋼管杭「ジオウィング・パイルII(GWPII)」が販売好調>
私たちが開発した環境に優しい鋼管杭が好調です。
建物には基礎がつきものです。地表の支持力が足りない場所で、しっかりと建物を支える基礎を作るには、地中の堅固な地層まで杭を入れることが有効です。地盤の中に杭を設置するためには、杭の頭を叩いて打ち込むか、あるいは孔を掘って杭を埋設するのが一般的です。ところが、これらの方法では、打ち込む際に大きな騒音・振動が発生したり、掘削残土を処分しなければならないといった課題がありました。そこで考案されたのが「ジオウィング・パイルII(GWPII)」。2006年から販売している製品です。
「ジオウィング・パイルII(GWPII)」は、鋼管の先端部に2枚の先端翼を取り付け、これを回転させて、ねじのように地盤中に貫入させていく鋼管杭です(右写真参照)。先端翼は鋼管杭を地盤に回転貫入させていくための推進力を発揮する重要な部材で、「ジオウィング・パイルII」では、鋼板を円錐形にプレス成形して、優れた貫入性を発揮できるように工夫を凝らした形状を採用しています。先端翼の役割はそれだけではありません。回転貫入が完了した後には、その大きな面積で地中の堅固な地盤に上部の建物からの荷重を伝え、大きな支持力を得るための機能を担います。「ジオウィング・パイルII」は回転力を与えることにより、ねじのように地盤中に貫入していくので騒音・振動が小さく、しかも掘削残土も発生しません。高性能でしかも環境に優しいことが特徴です。
そして、私たちは、2007年に「ジオウィング・パイルII」のような高支持力の鋼管杭に有効な「拡頭リング工法」という技術を開発しました。鋼管杭と上部の建物をつなぐための杭頭(鋼管杭の最上部)の接合工法です。従来は、鋼管杭の杭頭部に鉄筋を溶接して、これを上部の建物の鉄筋コンクリートに定着させる(埋め込む)などの方法で杭と上部の建物を繋いでいました。この工法では杭を施工した後で現場で杭頭部に鉄筋を1本1本溶接するので、工期が長くなる上に、溶接品質の確保や管理も難しいという問題点がありました。

ジオウィング・パイルII(GWPII)の形状 拡頭リング工法の構造概要
特に高支持力杭の場合には、接合部にも大きな耐力が求められるため、溶接しなければならない鉄筋の本数が多くなり、これらの問題が顕著になる傾向があります。条件によっては、目一杯の鉄筋を溶接しても接合部に必要な耐力が確保できない場合も生じます。そこで、あらかじめ鉄筋を溶接した杭より径の大きなリング(拡頭リング)を杭頭に設置して(右図参照)、鋼管杭と建物の接合部耐力を高める工法の開発に成功しました。この工法を適用することにより、従来工法に比べて必要な鉄筋本数を減らす、あるいは従来工法では耐力が確保できないような条件でも強固な接合部構造を実現することが可能になりました。鉄筋は工場でリングに溶接するため、溶接管理や品質の確保が容易で、現場では拡頭リングを杭頭部に被せて間隙にコンクリートを充填するだけでよいので、工期も大幅に短縮できます。
「ジオウィング・パイルII」の進化は止まりません。2008年には、やはり高支持力の「ジオウィング・パイルII」に適した「SM-ハイブリッド鋼管杭工法」という技術を開発。高支持力の杭は1本で大きな荷重を支えるので、鋼管の板厚が大きくなる傾向があります。特に地表面付近では、地震時の水平力(横揺れ)にも抵抗できるように鋼管の板厚を深部よりもさらに大きくしておく必要があります。そこで、地表付近の鋼管の内部にコンクリートを充填することで、薄肉の鋼管でも耐力を高めることができる工法を開発したのです。鋼とコンクリートを合成させ、2つの材料の長所を融合することで合理的で低コストな構造を提供したのです。また、本工法では鋼管内周面に突起を設け鋼管とコンクリートのずれを防止し一体化させますが、この突起に当社独自の技術である溶接成形突起を適用していることも特徴の一つです。溶接成形突起は溶接金属を盛り上げることによって鋼管表面に突起を形成する技術で、従来の鉄筋や平鋼を鋼管に巻きつけて溶接する方法に比べて低コスト、短時間で突起を設けることが可能です。
「ジオウィング・パイルII」は、国土交通大臣認定を受けています。「拡頭リング工法」、「SM-ハイブリッド鋼管杭工法」についても(財)日本建築総合試験所から性能証明を受けている折り紙つきの技術です。これらの技術がセットになって、お客様のニーズに応えることで、他社との差別化を図っています。
2006年の販売開始以来、着実に実績を伸ばしてきました。2009年度の実績は約4,000トンです。これは、従来の建築分野に加え、鉄道や道路でも採用されたことによるものです。また、今年度は実績をさらに伸ばし、将来的には、年間10,000トンを目指します。
私たちは、今後も「ジオウィング・パイルII」のさらなる拡販に力を入れていきます。