2010.03.24
●私たちのチタンがストックになってオリンピックで活躍しました
<(株)住友金属直江津のチタン製品がスキーストックの材料として使用>
チタン材料は、大きいものは航空機から、身の回りでは腕時計や眼鏡まで多種多様なかたちで、皆さんの生活にかかわっていますが、今回はスポ
ーツにもつながりが深いことをご紹介します。
実は私たちのチタン製品が、バンクーバー・オリンピックの舞台で4位入賞を果たしたスキー・モーグル女子の上村愛子選手のストックの材料として、2004年以来、使われています。それまで使っていたアルミ製からチタン製に変わったのは、チタンの方がアルミより強度が高いことと、衝撃で生じた振動が手に伝わりにくいという特性(振動減衰性)*1に優れているためです。そのため、より激しいターンでも使いやすくなるのです。
ところで強い材料は一般に、硬くて加工しにくいというデメリットがあります。ストックの素材は溶接パイプで、薄い板を円形に巻いて、端同士を溶接することでつくります。硬い材料の場合、この溶接パイプをつくるまでの薄い板をつくること、真円になるように巻くことのどちらもが大変難しいのです。
ストックに使われた溶接パイプの素材は、チタンにバナジウムなどを添加して、純粋なチタンよりさらに硬くしたチタン合金です。チタン合金は、一般的に鍛造*2で加工されますが、この方法ではコストが高い上に薄い板をつくることができません。今回、(株)住友金属直江津でこの私たち独自のチタン合金をもとに、圧延によって薄い板をつくり、それを私たちの関係会社の日本ステンレス工材(株)で、製造条件をいろいろと工夫して、ついにストックとして使える溶接パイプを造ることに成功しました。
このパイプをもとにして、ストックがつくられており、現在アルペン、スポーツデポで「HART」ブランドで販売されています。(写真ご参照)
私たち住友金属グループは、今後もさまざまな分野に、優れたチタン製品を提供していきます。
*1 ストックのメーカーによれば、振動減衰性とはストックワーク中に発生する振動を軽減させる性質のこと。
振動が小さい方が、手が疲れにくいという効果があるとのことです。
*2 鍛造とはプレス機などで半製品に力を加えて変形させることにより所定の形状にする製造方法です。