マンスリーレビューマンスリーレビュー

    2010.02.05

住友金属工業株式会社




 

 

 

 




No.236


2010年、新しい年がスタートしました。今年は、冬季オリンピックや上海万博にサッカーワールドカップと、元気が出るイベントが待ち受けています。日本の活躍が楽しみですね。私たち住友金属も技術を磨き、世界の競争にうち勝って成長し前進していきます。今年もどうぞよろしくお願いします。
本年最初のマンスリーレビューは、「第13回ステンレス協会賞」で受賞した住金精圧品工業(株)と日本原子力発電(株)殿/原電事業(株)殿が受賞した(株)住友金属直江津のステンレスの話題です。
今回の受賞製品は、高級車に搭載されているV型エンジンに、燃料を供給する「フューエルユニオン部品」のステンレス一体成型化と、原子炉の水素ポンプに使用されているダイアフラムの寿命を6倍に延ばすステンレス鋼です。
ステンレスは「Stain・less(さびない、汚れない)」という名前のとおり、腐食に強く、外見が美しく、さらに高強度という優れた性質を持つ鋼。その特性を活かした優れた製品は、私たちの生活の中で、今後もっと幅広く利用されていくことでしょう。わたしたち住友金属グループのこれからの開発にご期待下さい。



● 大活躍のステンレス
<第13回ステンレス協会賞で、住金精圧品工業(株)が受賞した「自動車用フューエルユニオン部品」と日本原子力発電(株)殿/原電事業(株)殿が受賞した(株)住友金属直江津の「NAR-301L HS1」をご紹介>


非常にさびにくく、耐食性・意匠性、加工性などで非常に優れた特性もつステンレス。昨年12月、私たちのステンレス製品群からふたつが、ステンレス協会主催の「第13回ステンレス協会賞」で受賞しました。



                             

                              フューエルユニオン部品

 

まずは、「優秀賞」を受賞した住金精圧品工業(株)の「自動車用フューエルユニオン部品」をご紹介します。フューエルユニオン部品「自動車用フューエルユニオン部品」とは、最高級グレード車に搭載されているV型エンジンの燃料供給部に使われる継手です。フューエルユニオン部品は、燃料噴射装置に供給されるガソリンが内部を通るため、耐食性に優れ、高圧と振動に耐える必要があります。そのため、従来はステンレス鋼の燃料パイプと、ボルトで固定するための普通鋼フランジを溶接して製造していました。この製造方法は高コストで、溶接工程の管理が大変です。そこで新日鐵住金ステンレス(株)の材料協力のもと、住金精圧品工業(株)の強みである冷間鍛造技術を駆使して、難加工材のステンレス鋼線からフューエルユニオン部品の一体成形することに初めて成功し、コスト削減と信頼性のアップを実現しました。

そしてもうひとつは、日本原子力発電(株)殿/原電事業(株)殿が受賞した(株)住友金属直江津のステンレスです。
(株)住友金属直江津の高い疲労強度を持つばね用ステンレス鋼「NAR-301L HS1(以下、「HS1」)」が日本原子力発電(株)殿の敦賀発電所で使われる水素圧縮機用ダイアフラム材として採用され、この適用事例が「佳作」を受賞しました。
原子炉の冷却水内で発生する酸素は、放射線の影響で酸化性が強いため、配管の腐食を促進させてしまうという問題がありました。この腐食から配管を守るために、冷却水に水素を加圧注入して、酸素濃度を低下させますが、水素を注入する圧縮機に使用されている従来のステンレス製ダイアフラム* は、2ケ月程度で疲労割れを発生するので頻繁に交換する必要がありました。そこで、微細結晶粒組織により疲労特性に大変優れている「HS1」をダイアフラム材として採用。「HS1」は、水素圧縮機の寿命を6倍以上と飛躍的に伸ばすことができました。



                     

               水素圧縮機外観 提供:原電事業(株)殿       提供:原電事業(株)殿


私たちは、これからもステンレスの特徴を生かした高機能な製品を開発していきます。

*: ダイアフラム(diaphragm)は、「横隔膜」や「振動板」のことで、この場合も横隔膜のようにポンプ内を上下することで、気圧を上げ下げさせて、弁との組み合わせで、水素を送りこみます。横隔膜のような繰返し変形(疲労)による破壊を防ぐためには、疲労強度の高い材料が必要です。(上図参照)



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