
我が国の電力は、約60%が火力発電によって供給されています。世界的にも火力発電は電力供給の主役です。今後も大きな増加が予想されるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)など経済新興国の電力需要への対応も、火力発電がその中心を担うと予想されています。特に近年は、発電時のCO2排出がより少ない、高効率な火力発電のニーズがますます高まっています。火力を用いて発電する際に、水蒸気に熱を伝えるための熱交換部の重要な部材がボイラチューブです。


火力発電の最大の課題は、効率を高めてCO2排出を抑制すること、効率向上の決め手は、ボイラの大容量化と、発生させる蒸気をより高温・高圧にすることです。この蒸気条件が、蒸気の臨界点を超えると、超臨界圧、さらには超々臨界圧発電と呼ばれます。このような蒸気温度と圧力が一段と高く効率的な発電プラントを実現するには、高温・高圧に耐える強度を備え、さらに内面の水蒸気酸化と外面の高温腐食に対する耐食性の高いボイラチューブが不可欠なのです。
住友金属では、明治45年(1912年)、日本ではじめてボイラチューブの製造を開始して以来、この要求に応じて新材料の開発、生産技術の改善、新鋭設備の導入、検査・品質管理技術の向上などを進めています。こうした努力が実り、90年代半ばに、超々臨界圧の条件下にも耐えるボイラチューブを開発し、実用化しました。革新的な材料による技術的飛躍に成功したのです。



超々臨界圧発電の実現は、革新的な材料による技術的飛躍です。様々な技術的課題に加えて、長期にわたる実証試験が不可欠だったのです。開発した鋼管材料が超々臨界の高温高圧に耐えられることを確認するには、実際に材料を何万時間にもわたって高温高圧にさらすクリープテストが欠かせません。阪神大震災の朝にもストップしなかった兵庫県尼崎市の当社総合技術研究所での地道な実証試験の結果、住友金属がシリーズ開発したシームレスパイプは、グローバルスタンダードとなったのです。また現在、さらなる高効率発電でCO2削減に寄与する、次世代超々臨界圧ボイラ開発の国家プロジェクトに、中心となって参画しています。

現在、住友金属の高温・高強度ボイラチューブが使用されている超々臨界圧ボイラは、日本で22基(シェア100%)。世界で191基、シェア80%。超臨界圧発電と比較したCO2発生抑制量は、年間6,636万トンにものぼります(建設中・計画中の発電所を含む)。住友金属は、世界が待ち望んでいた超々臨界発電を実現するボイラチューブの圧倒的トップサプライヤーとして、成長する世界の電力需要に応えていきます。

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