
住友金属の海外展開の基本は、成長市場での現地生産です。日本の製造拠点の人的資産、技術資産、顧客資産や組織資産といった「見えない資産」の競争力をベースとして、海外展開を加速させます。そして国内拠点は海外事業をサポートすると同時に、よりハイエンドな製品に注力して企業価値を向上させるのが住友金属の戦略です。
エネルギー分野で使われるハイエンドのシームレスパイプや厚板、自動車用超高強度鋼板、国内シェア100%の鉄道車輪や世界シェア約10%の鍛造クランクシャフトなど、住友金属には、世界マーケットで競争に勝ち抜くための、高い技術に裏打ちされた強い製品があります。こうした強みを発揮して海外事業展開を進め、長期持続的成長を実現します。

住友金属の海外展開のロードマップは、2010年のブラジルでのシームレスパイプ合弁事業の工場稼動に続き、2012年にはベトナムの薄板合弁事業、さらにその先にはインドで検討されている事業展開が待っています。厚板の分野では、Canadoil Groupのタイでの新厚板ミル建設事業に参画しており、2013年にミル稼動の計画です。自動車向けクランクシャフトの分野では、インドでの製造・販売拠点を加え、日本、米国、中国とあわせて世界4拠点での製造・販売体制が整いました。さらに鉄道用の車輪・車軸では、米国トップメーカーのStandard Steel社の買収により、車輪・車軸の世界2拠点体制を確立します。
ブラジルでの合弁事業である高炉一貫シームレスパイプ製鉄所が、2010年12月に最初のシームレスパイプ製造に成功しました。2011年は、高炉や製鋼工場などの上工程が完成し、製鉄所として稼動します。新たな拠点を活かし、世界中のお客さまに高品質な製品を供給します。

薄板の分野では、ベトナムでの合弁事業の工場が2012年に稼動する予定です。また、インド鉄鋼メーカーのブーシャン社に技術協力し、同社薄板を当社ブランドで販売するOEMも合意済みです。厚板の分野では、Canadoil Groupに出資し、同社がタイで建設中の新ミルに技術援助します。2013年に営業運転を開始する計画で、当社の厚板製造能力は年間約30万トン増加し、高級厚板の需要増に応えます。

クランクシャフトの分野では、インドでの製造販売合弁事業を2010年に開始しました。日本、米国、中国とあわせた世界4拠点での製造・販売体制で、世界シェア10%超えを目指します。鉄道用車輪・車軸の分野では、米国トップメーカーのStandard Steel社を買収しました。世界2拠点体制で拡販するとともに、万一の有事の際もお客さまへの安定供給を続けることが可能になります。
